大塔建立

平家物語:大塔建立 朗読mp3

平家物語巻第三より「大塔建立(だいとうこんりゅう)」です。
平家が厳島明神をあがめるようになったいきさつが語られます。


あらすじ

清盛の娘徳子が皇子を出産します(「御産巻」)。 平家と朝廷の結びつきもいよいよ強まり、平家の繁栄が約束された わけです。

御出産祝いの法会の最終日に勧賞(官位や所領を与えること)が行われました。

入道相国夫婦ともに皇子の誕生を安芸の厳島明神に 祈ってきたその祈りが実り、まことにめでたいことでした。

平家が安芸の厳島を信仰するようになったいきさつを言えば、鳥羽の院の 時代、清盛がまだ安芸守だった頃、領地からの収入で高野の大塔を修理せよと 命じられ6年かけて修理を終えました。

さて修理が終わり清盛が高野の奥の院(弘法大師の廟)に参詣すると 不思議な老人が現れます。

「高野の大塔のついでに厳島神社も修理すれば昇進は思うままだぞ」などと 語り、立ち去ります。後をつけさせると、三町ほど行って見えなくなりました。

さては弘法大師であろうと尊く思う清盛でした。記念に高野の金堂に 曼陀羅を描かせます。西曼陀羅は常明法印という絵師に描かせ東曼荼羅は 自分の頭の血を絵の具として描いたということです。

清盛は都へ登りこのいきさつを鳥羽院に報告します。鳥羽院はたいそう 喜び清盛の安芸国司としての任期を延ばし厳島神社を修理させます。

修理が終わり清盛が厳島神社へ参詣しそこで一晩を明かしたとき、夢の中に天童(天の使いの童子)が あらわれ「これをもって国を治め、朝家を守れ」と小長刀を授けます。

目覚めて後枕元を見ると現実にその小長刀があり、その天童も立っていました。

「もし悪行があれば繁栄は子孫までは 及ばないぞ」と言って大明神は天に上がっていかれました。


吸音のため目の前に毛布をたらして朗読しましたが、やはり前の視界はスコーーンと 遠くまで開けていたほうがいいと思いました。目の前に壁が あると遠くに声を飛ばすイメージがつかみにくく、声が小さく なる。それをまなんだ一章でした。

天の使いが清盛に小長刀を授ける場面がありますが、この小長刀は 「物怪」の章で突如清盛のそばからなくなります。清盛の死と平家の没落を 暗示しているわけです。

冒頭に名前の出てくる仁和寺の御室守覚法親王は後に平家に対しクーデターを 起す以仁王の実兄です。ほとんど台詞もない点景的な人物ですが、 「経正都落」で挨拶に来た経正から今生の形見に琵琶「青山」を受け取るのは しみじみ印象深い場面です。


posted by 左大臣光永 | 平家繁栄

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