遠矢

平家物語:遠矢 朗読mp3

平家物語巻第十一より「遠矢(とおや)」です。源氏方の阿佐里与一(あさりのよいち) は弓の名手です。壇ノ浦の合戦の最中、その腕が活かされます。


あらすじ

源氏方の和田小太郎義盛(わだのこたろう よしもり)は、平家方へ 遠矢を射ます。

平家方の仁伊の紀四郎親清(にいのきしろう ちかきよ)は義盛の放った矢を射返します。

源氏方では、「義盛が自分ほど遠矢射る者はいないと思い上がり、恥をかいたぞ」 と笑いました。

義盛は怒り狂い、平家方に散々に矢を射ます。

また仁伊の紀四郎親清は義経の舟に矢を一本射たて、「射返してみよ」と 挑発しました。

義経は後藤兵衛実基(ごとうびょうえ さねもと)の進言で 阿佐里与一(あさりのよいち)を召しだします。

阿佐里与一は遠矢を射て、仁伊の紀四郎親清を船底に射落としました。

その後は源平入り乱れて乱戦となります。しかし平家方は三種の神器と 安徳天皇を擁しており源氏方は帝王に背く形になります。武運に見放される かもという不安がありました。

その時天から白旗が一流れ源氏の舟の上に舞い降りてきました(白旗は源氏をあらわす)。 義経は「八幡大菩薩が示現されたのだ」と一同と共に喜び拝しました。

また、源氏方より平家方へ【いるか】の群れが口を出して息をしながら 泳いでいきました。

宗盛は、小博士晴信に占わせます。「いるかが反対側に泳いでいけば 源氏は滅びます、このまままっすぐ通るなら味方の危機です」と 言い終わらない間に、いるかの群れは平家の舟の下をまっすぐ通っていきました。

阿波民部重能(あわのみんぶしげよし)は、子息田内左衛門(でんないざえもん)を 生捕りに取られ、やむなく源氏方に内通しました。

平家方は貴人を軍船に乗せ雑人を唐船に乗せ源氏方が唐船をめがけて 攻めてきたところを包囲して討とうという作戦を立てていました。

しかし阿波民部重能によってこの策は源氏方に筒抜けになりました。源氏方は 唐船は無視し軍船ばかり狙い撃ちにしました。

四国・鎮西(九州)のものどもも、皆平家を背き源氏につきました。 源平の合戦も、今日を最後の雰囲気を出してきました。


那須与一ほど華々しくはありませんが、源氏方の弓の名人、 阿佐里与一の活躍が描かれます。源平双方から遠矢を射あう、 なんかスポーツの雰囲気です。 朗読して気持ちいい章です。

沖よりなぎさへ三町余りをつッと射わたして、和田小太郎がうしろ 一段あまりにひかへたる三浦の石左近の太郎が弓手のかひなに したたかにこそ立ッたりけれ。

四町余をつッと射わたして、大舟のへに立ッたる仁井の紀四郎親清が まッただなかを、ひやうふつと射て、ふなそこへさかさまに射たふす。

↑こういうところは実にスカッとします。 平家物語を朗読して一番気持ちいいのは こういうところです。合戦こそ平家物語と思います。

そして、基本やかましい場面なので自然に声が出ます。「小督」や 「忠教都落」など、しみじみと情緒で聞かせる章はあまり発声の練習には 向かないと思います。

こういうわかりやすい、単純な、やかましい章でまず声量を鍛えるのがいいと思います。


posted by 左大臣光永 | 屋島・壇ノ浦

【発売中】はじめての平家物語〜木曽義仲篇

はじめての平家物語〜木曽義仲篇

院の御所法住寺殿を焼き討ちにした義仲は天下に孤立。後白河法皇は頼朝に義仲追討の院宣を下し、範頼・義経両軍が京都へ攻め寄せます。義仲が朝敵となったことで、それまで義仲に従ってきた者も次々と去っていきます。そんな中、股肱の臣たる今井兼平、樋口兼光、巴らはあくまで義仲への忠義をつらぬきます。 詳しくはこちら


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。