朗読 平家物語平家物語関連 荊軻を詠ず 陶淵明

荊軻を詠ず 陶淵明

荊軻を詠ず 陶淵明 朗読mp3

荊軻を歌った陶淵明の詩です。始皇帝暗殺を試みて失敗した荊軻のことは平家物語『咸陽宮』に詳しく語られています。

燕丹善養士  燕の国の丹はよく士を養ふ
志在報強秦  志は強秦に報ゆるに在り
招集百夫良  百夫にすぐれたるを招き集むるに
歳暮得荊卿  歳の暮れなんとして荊卿を得たり
君子死知己  君子は己を知るものに死す
提劍出燕京  劍を提げて燕の京を出でたり
素驥鳴廣陌  素(しろ)き驥(うま)は廣(ひろ)き陌(みち)に鳴き
慷慨送我行  慷慨して我が行を送る
雄髮指危冠  雄々しき髮は危(たか)き冠を指し
猛氣衝長纓  猛々しき氣は長く纓(えい)を衝く
飮餞易水上  飮餞(いんせん)す易水の上
四座列群英  四座群英を列ぬ
漸離撃悲筑  漸離は悲筑を撃ち
宋意唱高聲  宋意は高聲(こうせい)を唱ふ
蕭蕭哀風逝  蕭蕭として哀しき風の逝き
淡淡寒波生  淡淡として寒たき波は生ず
商音更流涕  商音に更ごも涕を流し
羽奏壯士驚  羽奏に壯士も驚く
心知去不歸  心去りて歸らざるを知るも
且有後世名  且つは後世の名有らん
登車何時顧  車に登りては何れの時か顧りみん
飛蓋入秦庭  蓋を飛ばして秦庭に入る
凌脂z萬里  凌氏iりょうれい)として萬里を越え
逶逶過千城  逶逶(いい)として千城を過ぐ
圖窮事自至  圖(ず)窮まって事自づから至る
豪主正征營  豪主も正に征營たり
惜哉劍術疏  惜しい哉劍術の疏にして
奇功遂不成  奇功遂に成らず
其人雖已沒  其の人已に沒すると雖も
千載有餘情  千載餘情有り


「帰去来の辞」で知られる陶淵明(365- 427)が荊軻を歌った詩です。
司馬遷「史書」に見える、友人たちが荊軻を見送る場面(易水送別)が中心になっています。

風蕭々として易水寒し。壮士ひとたび去って復た還らず

易水のほとりに立って、「ああ、はるか昔ここから荊軻は旅立ったのかなぁ」と、陶淵明はシミジミしてるのです。

「奥の細道」の「平泉」に通じる感慨です。歴史のロマンに涙しているのです。

細かい語句の意味はわからなくても、ほとんど違和感なく現代語のように場面が浮かぶと思います。

陶淵明 帰去来の辞」←こちらで北原白秋に関連して陶淵明の詩を朗読してます。

posted by 左大臣光永 | 平家物語関連

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