横笛

平家物語:横笛 朗読mp3

平家物語巻第十より「横笛(よこぶえ)」です。
屋島の陣を出て熊野入りした維盛は、旧知の滝口入道を訪ねます。 滝口入道が出家した背景には建礼門院の雑子女(侍女)、横笛の悲恋がありました。初期に録音したイジケた音だったので再録しました。


あらすじ

小松中将維盛卿(こまつのちゅうじょう これもりのきょう)は、屋島にありながら都に残してきた妻子のことが気にかかっていましたが、遂に死を決意し、家来三人と共に紀伊路へ向かいます。

途中、妻子に会いたくなりますが、生け捕りになって恥をさらすことを厭い、高野山へ参詣します。

さて高野に維盛と旧知の僧がいました。元は滝口時頼(たきぐちときより)という武士でしたが、 滝口は健礼門院の雑仕女(侍女)、横笛という女を好きになります。

滝口は父に反対されます。そんな身分の低い女を好いてどうするつもりだと。

滝口はそれを機に出家し、嵯峨の往生院にこもります。

横笛は滝口を探して往生院へ向かい、滝口のいる僧房をさがしあてます。

滝口は障子の隙間から横笛の姿を見て、心が揺らぎますが、 結局会わないで帰してしまいます。

そして、またこんなことがあると決心が鈍るからと、高野の清浄心院に居を移します。

こういうことがあって横笛も尼になり、奈良の法華寺にこもります。

滝口
そるまでは 恨みしかどもあずさ弓 まことの道に 入るぞ嬉しき
(意味)出家するまではこの世を恨みもしましたが、あなたも仏道に入られたとのこと。嬉しく思います)

横笛
そるとても 何か恨みんあずさ弓 ひきとどむべき 心ならねば」
(意味)出家されたからといって、どうして恨みましょう。私に止められることではないのですから

しかし恋慕の思いが積もったせいでしょうか、横笛は程なく亡くなってしまいます。

横笛の死を伝え聞いた滝口はますます修行に励み、ついには「高野の聖」と呼ばれるようになりました。


横笛と滝口の性格の食い違いというか、キャラクター性の違いを考えつつ朗読しました。

滝口の出家する時のサッパリした物言いといい、その後の修行ぶりといい、こういうさわやかなナイスガイは大好きです。
女性からしたら、「勝手な男」ということになるんでしょうが、友達に持つべきはこういう男だと思います。

一方、横笛のほうは出家の後も現世に未練をとどめた感じで、暗く、重く、あまり好きになれないです。


posted by 左大臣光永 | 重衡と維盛

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