朗読 平家物語平家繁栄 小教訓(一)

小教訓(一)

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平家物語巻第二より「小教訓(こぎょうくん)」です。鹿ケ谷事件の首謀者、新大納言成親(なりちか)を折檻した件で、清盛が長男の重盛から怒られる話です。


あらすじ

新大納言成親卿は、鹿ケ谷事件の首謀者として清盛の西八条邸に身柄を拘束されていました。

清盛は、成親を恩知らずと罵倒し、計画の一切を話せと迫ります。

成親は関与を否定しますが、清盛は処刑した西光法師の白状書を持ってこさせ、成親の前で朗読させ、顔に叩きつけた上、 成親を庭に引き落とし、折檻を加えるのでした。

小松殿(重盛)は、かなり経ってから嫡子維盛と共に西八条邸にやってきて、大納言と対面します。
大納言は「地獄に仏」と喜び、助命を請います。重盛は「必ず命はお助けいたします」と大納言を慰めます。

重盛は、父清盛に教訓(説教)します。
大納言を死罪にするには及ばない、ただ都の外へ追放すれば足りると。
いにしえの賢王ですら讒言により無実の臣下を流罪に処してしまった事例を引き、また、 保元の乱の時長年間行わていなかった死罪を復活させた信西入道が、その二年後、自身が死罪になった最近の例を引き、 清盛に教訓し、納得させます。

重盛は侍たちに、大納言に手を出さぬよういい含め、自分の屋敷(小松殿)に帰っていきました。

大納言の北の方は追捕の武士が来るときき、若宮・姫宮を連れて、雲林院へと退避しました。

朗読について

これを録音していた時、「とにかく声を張り上げるがエライ」という思想でしたから、元のwavはかなり うるさかったです。
「失敗したなあ」と思っていましたが、mp3にすると だいぶ音が痩せてまとまりました。
しかし、じかに聞かされる人はたまらんでしょう。
もう少し聞き手のことを考えて読むのが朗読でありましょう。
実際人に聞かせていたなら、こうはならなかったでしょう。録音する時もやはり 「目の前の聞き手」を意識しながら朗読すべきと、つくづく思いました。

それにしても新大納言はヒドイ目にあっています。
謀反を計画するような新大納言ですが、父親としては大変いい方だったようです。
その子息、丹波少将成経(たんばのしょうしょう・なりつね)は、「少将都還」の中でシミジミ父のことを思い返しています。

平家物語には長い手紙や演説がメインとなる章がありますが、 この「小教訓」もそうです。
重盛が父清盛に延々と教訓(説教)する、その教訓が大半を占めます。
昔の人は言葉が豊かだったなぁと思いつつ朗読しました。

朗読しているうちに朗読者にも自己陶酔が入ってきます。
よく「朗読は人に聞かせるものだから自己陶酔はいけない」とか言いますが、そんなイジけた正論は土足で踏みにじりましょう。
こういう場面で自己陶酔しなくてどうするのかという話です。

平家物語の作者もきっと「陶酔しまくって語ってくれ」と思ったはずです。

しかし、これだけ息子から諭されれば、気性の荒い清盛でも、そりゃあシュンとなるでしょうな。

よくもまあ、こんな、まな板に水と喋りまくったものだと思います。堂々とした説教です。そして長い。

中国の故事や最近の時事問題などを縦横に引用しながら教訓しまくる、重盛の知識人ぶり素晴らしいです。
しかし言われるほうはたまらんでしょう。

一度はこんなふうに説教たれまくってみたいものです。


posted by 左大臣光永 | 平家繁栄

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