青山之沙汰

平家物語:青山之沙汰 朗読mp3

平家物語巻第七より「青山之沙汰(せいざんの さた)」です。
前章「経正都落」で、経正が仁和寺の御室に託した琵琶、「青山」の 由来が語られます。


あらすじ

経正が十七歳の時宇佐八幡宮(現大分県)への奉幣の勅旨となってくだり、 御殿に向かってこの「青山」を奏でたことがありました。

普段音楽などを聞くこともない身分の低い人々も、その見事な演奏に涙を流しました。

「青山」は、九世紀中盤、遣唐使が唐国の琵琶の博士、廉妾夫(れんしょうふ)から秘曲とと もに授けられたものでした。

青山と共に「玄乗」「獅子丸」という琵琶も伝えられたのですが、日本に帰る途中嵐にあい、 「獅子丸」だけは海底に沈んでしまいました。

時代くだって(十世紀後半)村上天皇が深夜「玄乗」を奏でていると、廉妾夫の霊があらわれ 、 「秘曲のうち一曲を伝えそこねたので、魔道に落ちてしまった」と語ります。
そして傍らの青山を手にとり、秘曲「上玄・石上」を村上天皇に伝授したということです。

その後「青山」は仁和寺に保管されていましたが、経正の幼少の時、 御室はたいそう経正を愛され、青山をお与えになった、ということです。

朗読について

琵琶「青山」に関する逸話です。地味ながらキラリと光るいいエピソードです。村上天皇と廉妾夫のやり取りにメリハリを出すべく再録しました。

100年の時を経て、霊になってまで曲を伝えようという、廉妾夫の職人気質。音楽家は、こ うあってほしいです。

廉妾夫がどういう人物か資料がないのでわからないですが、琵琶以外は全然だめな、社会から 逸脱したモーツァルトのような人だったら最高だなぁと 思いながら朗読しました。

琵琶に関する説話は、説話集「江談抄」「古事談」「十訓抄」などに多く見えます。


posted by 左大臣光永 | 木曽義仲の台頭

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