清水炎上

平家物語:清水炎上 朗読mp3

平家物語巻第一より「清水炎上(きよみず えんしょう)」です。
延暦寺の衆徒が興福寺の末寺、清水寺を焼き討ちにします。


あらすじ

前章「額打論」で、二条天皇の葬送の際、興福寺は延暦寺を侮辱しました。
延暦寺衆徒はしかし、その場では何も反抗せず立ち去ります。

同二十九日、延暦寺の衆徒は京都に乱入します。
それに際して「後白河法皇が延暦寺衆徒に命じて平家を追討させるのだ」という噂が流れます。

平家の一類は皆、六波羅へ馳せ集まり、後白河法皇も六波羅へ御幸されます。

延暦寺衆徒は、興福寺の末寺、清水寺へ押し寄せ、焼き討ちにします。

清水寺の焼けた次の日、立て札がありました。

観音火坑変池はいかに
(観音にすがれば燃えたぎる火の穴も池に変わるというが、そんなご利益のある清水寺が焼けるとは…という意味の皮肉)

また次の日、返事の札がありました。

歴劫不思議力及ばず
(観音の力は、人智ではかれるものではない。今回の焼失も、人がどうこう言うものではない)

延暦寺の衆徒は引き上げ、後白河法皇も六波羅から還御されます。
しかしこれ以降清盛は、後白河法皇への疑いを強めていくのでした。

後白河法皇の近臣、西光法師は「あの噂は天の声だ」と、平家の横暴をなじります。

十二月二十四日、建春門院(後白河上皇の女御)の産んだ一院の宮(後の高倉天皇)が親王(注)の宣旨を下され、 さらに翌年、春宮(注)に立ちます。

叔父、甥で天皇、春宮という形です。

その甥が五歳で譲位し、位を受けた春宮は、高倉天皇となります。

高倉天皇の母、建春門院は清盛の妻、二位殿の妹。

平大納言時忠(へいだいなごん・ときただ)は、建春門院の兄です。
皇族と結びつきを強め、平家はますます繁盛していくのでした。

(注)親王(しんのう)…天皇の兄弟、皇子に授けられる称号。
(注)春宮(とうぐう)…皇太子。次期天皇に指定されている皇子

朗読について

「三井寺炎上」と違って、建物がブワーーッと燃える描写はなく、ひたすら地味な章です。
皇室がらみの話は、ややこしくて朗読しずらかったです。
「炎上」という単語に反応して朗読したので、拍子抜けしました。

そして、皇室関係のややこしさ。
平家物語は合戦の描写がスカッとする一方、こういう皇族がらみの描写は歴史マニアしか楽しめないと思います。

ようは、高倉天皇が即位 → 高倉天皇のバックには平家 → 平家ばんばんざいという話です。

この高倉天皇というのは、平家物語がやたら賢王として持ち上げる人です。「紅葉」の章で、 しみじみとその人柄が語られます。
なよなよした感じで、私はあまり好きくないです。

最後にちらと言及される平関白時忠という人は清盛の懐刀的な存在で、「人形劇平家物語」では 清盛の「ガキの頃からのツレ」的な存在としても描かれていました。
太い眉がカッコよかったです。


posted by 左大臣光永 | 平家繁栄

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