御輿振

平家物語:御輿振 朗読mp3

平家物語巻第一より「御輿振(みこしぶり)」です。
加賀の国の国司師高と目代師経の処罰を求めて、比叡山の大衆が京都の町へ乱入します。
源頼政(みなもとの よりまさ)はわずか三百騎で北の門(縫殿)の守護につきます。


あらすじ

加賀国の目代(代官)師経は地元の寺の坊舎を焼き払いました(「俊寛沙汰 鵜川軍」)。
この件について比叡山は度々朝廷へ処罰を求めていましたが、裁可がおりません。

業を煮やした比叡山の衆徒は、日吉の祭礼を中断し、十善寺権現、客人(まろうど)、八王子 、 三社の御輿を振りたてて、都に向かいます。

源平両家に内裏の門を守護する命令が下り、重盛は陽明、待賢、郁芳門を、宗盛らは西南の門 を守ります。
源頼政は、わずか三百余騎で北の門(縫殿)の守護につきました。

山門の衆徒は、手薄と見て頼政の守護する縫殿へ押し寄せます。
頼政は神輿を前に礼儀正しく拝礼し、郎党の渡辺長七唱(わたなべのちょうじつ となう)を 使いに立て、衆徒に訴えます。
この門を通せば、宣旨に背くことになる、防いで戦えば、日頃信仰している比叡山に弓引くこ とになると。
そして比叡山の威信を示すため、むしろ警護の堅い小松殿(重盛)の方から攻めることを薦め ます。

老僧の豪運は、大勢の中を討ち入ってこそ山門の威信が示されること、 また頼政の人柄の信用できることを衆徒に語り、頼政が歌道にも優れた例として、 「深山の花」という題で詠んだ歌を引用します。

深山木の その梢とも 見えざりし 桜は花に あらわれにけり
(深山に茂る木々は多く、どれが桜が見分けることができない。
春になって花が咲くと、ああこれが桜だとハッキリわかるのだ)

先陣から後陣まで納得し、重盛の守護する待賢門へ向かいますが激しい乱戦となり、 神輿にはたくさんの矢が射たてられ、多くの衆徒が射殺されます。
衆徒はやむなく神輿を打ち捨て、本山へ逃げ帰ります。

朗読について

比叡山の衆徒との小競り合いは、平家物語前半の主要トピックです。
後半の合戦ほどではないにしても、山場になってると思います。
人間ドラマだけで進む「妓王」などより、こういうアクションのある章のほうが 朗読しやすい気がします。

平家物語前半のキーマン、源頼政が登場します。武芸だけでなく歌道にも優れた所、怒りたけ る衆徒の前で、あくまで礼儀をつくす所…
頼政の人柄が断片的ながらも語られます。
頼政の活躍する場面では、朗読も思わず襟を正した感じになってしまいます。


posted by 左大臣光永 | 平家繁栄

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