平家物語巻第五より「伊豆院宣(いずの いんぜん)」です。
文覚が頼朝に平家追討の決意を促がす話です。
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富士川 >>
あらすじ
頼朝のいる伊豆の蛭が小島のそばに、文覚も流されていました。
ある時文覚は、平家一の識者、重盛はすでに無く、今が平家を打倒するチャンスと頼朝
に促がします。
ためらう頼朝に文覚は父義朝の髑髏を見せます。
平治の乱の落ち武者狩りで命を落としたのを、以来自分が持ち歩いて供養していた
と語ります。
頼朝は涙を流しますが「幽閉されている身でどうやって謀反など起こせようか」と、
煮え切らない態度です。
文覚は急ぎ福原へ上り、藤原光能を介して法皇から平家追討の宣旨を賜り、伊豆に帰って頼朝に手渡すのでした。
頼朝は恐縮し、三度拝して院宣を開きました。
朗読について
平家物語は、登場人物を少なく絞り、その性格づけも単純化されており まさに「読む」ことを意識して作られています。煮え切らない頼朝と、破天荒な文覚。二人の性格というか、空気の 違いを考えつつ朗読しました。
「人形劇平家物語」では、遠藤盛遠が袈裟御前を殺害したことから出家して文覚となる エピソードから始まっていて、不思議な構成と思いました。
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