朗読 平家物語平家繁栄 一行阿闍梨之沙汰

一行阿闍梨之沙汰

平家物語巻第二より「一行阿闍梨之沙汰(いちぎょう あじゃりのさた)」です。
無実の罪を着せられ配所へ護送される先座主明雲の身柄を、比叡山の大衆が奪い返します。
また、唐の時代に無実の罪を着せられ流罪となった僧、一行阿闍梨の故事が語られます。

あらすじ

先座主明雲(以下座主)は、比叡山の大衆を扇動して内裏へ乱入させたとの 濡れ衣を着せられ、流罪に処せられました(「座主流」)。

比叡山の大衆は、十禅寺権現の御前に集い、座主の身柄を取り戻そうと詮議します。
また、「当山の貫首(総領)を、島流しにしてはならぬ」という託宣がありました。
勢いたった大衆は、粟津へ押し寄せます。
護送の役人は驚いて逃げ去ります。

国分寺で座主に対面する大衆。しかし座主は大衆の軽挙を戒めます。
輿を用意し、「お乗りください」と言っても、「私は罪人だから」とお乗りになりません。

西塔の阿闍梨裕慶(あじゃり ゆうけい)という大男が、おどしつけるように座主を輿に乗せ、身柄を奪い返しました。

強引に座主の身柄を取り戻したとはいえ、今後どうすべきか?
大講堂の庭で詮議になります。
阿闍梨裕慶は座主の徳の高きを訴え、一切の責めは自分が負うと請合い、大衆を安心させます。

大衆は座主を東塔の南谷、妙光房へ移しました。

昔、やはり無実の僧が流罪になった例があります。
唐の一行阿闍梨です。

一行阿闍梨は玄宗皇帝の后、楊貴妃との密通の疑いをかけられ、加羅国に流罪となったのです。

加羅国へは帝が御幸の時使う輪池道、一般人が使う幽地道、罪人が通る暗穴道がありましたが、 一行阿闍梨は暗穴道を通らされました。

無実の罪に問われた一行阿闍梨を天道は哀れみ、九曜の星を現してその身を守りました。
一行阿闍梨は右の指を食いきり、その血で左の袖に九曜の曼荼羅を描き写しました。

朗読について

西塔の阿闍梨裕慶の台詞はガーーッと力強く、 気持ちよかったです。
マイクの中に声を叩き込むような気持ちで朗読しました。

じかに聞くとやかましくて耳を塞ぎたくなると思います。
しかし、最終的にmp3にするまでに音は確実に痩せるので、 最初はやかましめで朗読したほうがいいような?
最近はその考えです。


posted by 左大臣光永 | 平家繁栄