康頼祝詞

平家物語巻第二より「康頼祝詞(やすより のっと)」です。
鬼界が島に流された康頼入道は、都へ帰ることを願い、祝詞を上げます。

平家物語:康頼祝詞 朗読mp3

あらすじ

鬼界が島に流された康頼、丹波少将成経、俊寛僧都の三人でしたが、 平教盛の知行する肥前国鹿瀬の荘より衣食を送ってもらい、なんとか生きながらえていました。

康頼は鬼界ケ島に流される際、周防の室積で出家し、法名を性照と名乗ります。
出家の思いをこう詠みます。

ついにかく 背き果てける 世の中を とく捨てざりし ことぞくやしき
(意味)とうとう世を捨てて僧になったことだなあ。こんなことならもっと早く出家していればよかった

康頼入道と丹波少将成経は、熊野信仰に厚い人で、 熊野の三所権現をまつって都へ帰れるよう祈願しようという話になりました。
しかし俊寛は信仰心のない人で、これを断りました。

康頼入道と成経は島を歩き回り、熊野に似た地形を探します。
鬼界が島の景物を熊野になぞらえ「那智の御山」など、熊野にちなんだ地名をつけます。

二人は熊野の御法神である金剛童子に向かって都へ返れるよう願い、祝詞を上げるのでした。

朗読について

長い長い祝詞です。意味はさっぱりわかりませんが、まあ、都に返してくださいと祈っているのです。祝詞っぽい節は、つけていません。自信がなかったので。

対句が多様され、いいリズムです。偉そうにならないように、敬虔になるよう朗読しました。


posted by 左大臣光永 | 平家繁栄
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