平家物語巻第三より「辻風(つじかぜ)」です。
竜巻が起こり、多くの家屋、人命が失われます。
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あらすじ
治承四年三月十二日、辻風(竜巻)が起き、
多くの家屋、人命が失われます。
なにかの凶兆だろうと、占いをさせると、
「百日以内に位の高い大臣が亡くなり、
仏法・王法ともに滅び、戦乱が打ち続くだろう」と、神祇官、陰陽寮ともに恐ろしい結果を出しました。
これは、内大臣重盛の死を暗示していたのでした。
朗読について
平家物語には、天変地異を描写する章が二章あります。
この巻第三「辻風」と巻第十二「大地震(だいじしん)」です。
どちらも短いながら派手な章です。
喉を馴らすのにちょうどいいです。
内容が内容だけに、自然に激しい声が出ます。しかも短いので喉の負担にならなくて、よいのです。
単なる災害の話でなく、忠臣重盛の死という人事に関連づけて
語られていることがポイントです。
巻第十二「大地震」も、地震の原因を安徳天皇が亡くなったことと関連づけています。
現実に地震や竜巻が人の行いと関係してるわけはないんですが、平家物語は因果応報で
物事をとらえるのです。
「つじかぜ」は、正式には風に火火火と書くメチャクチャ難しい漢字なのですが、正しく表示されませんでした。
鴨長明「方丈記」の中でも、この「治承の辻風」について詳しく描写されています。
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